導入事例23




    ASUS Nexus 7を採用したシステムで挑む、次世代エネルギー問題

    人口増加や、石油資源の枯渇によるエネルギー不足が叫ばれる昨今、代替エネルギーの確保が重要な問題になっています。
    東京大学 大学院 農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 生物測定学研究室はJST(科学技術振興機構)の戦略的創造研究推進事業のひとつである研究プロジェクト「CREST」に参画し、バイオエタノールの原料として期待が高まっているイネ科の植物「ソルガム」の高速育種に取り組んでいます。
    DNA解析を用いて、優れた品種を高速に育成する研究に取り組んでいますが、今まではソルガムの実地計測において、1万本近い個体の成長度合いや糖度などを計測するための人員確保や、長時間作業によるヒューマンエラーが課題となっていました。
    これらの課題を克服し、現在進行形でプロジェクトの推進を支えているのがAndroid OSを搭載し、携帯性に優れたASUS Nexus 7です。

    今回は同研究室の 岩田洋佳 いわた ひろよし 准教授に導入までの経緯やメリットなどをお聞きしました。

    導入までの経緯

    岩田氏の研究において、決して全ての工程が効率化されていませんでした。 DNA解析には最新技術が用いられ、詳細な分析を効率的に解析することができますが、実地計測にはメジャーや糖度計で計測し、手作業でデータ入力を行うといったアナログな手法を取っていました。 実際、このような作業は労働時間が長時間にわたり、誤入力などのミスが発生していました。 そこで、岩田氏の発案により、ASUS Nexus 7を活用した新たなシステムを導入することで測定の効率化や正確性の向上がはかられました。

    ――どのような経緯で新システムは誕生したのですか。
    岩田氏:私は以前からDNAの解析技術はいずれ格段に進歩し、いまだ手入力の実地計測が足を引っ張ることになると考えていました。そこで、2012年の夏、タブレット端末と複数の計測機器をBluetoothでワイヤレスに接続し、実地作業で測定した数値を自動的に保存できるシステムの開発をディジ・テックと凸版印刷に依頼しました。これにより、計測作業はスムーズになり、入力ミスなどのヒューマンエラーを格段に減らすことができるようになりました。

    新システムでは計測したデータが自動でASUS Nexus 7に保存されるため、今まで二人一組で行っていた作業をたった一人で行えるようになりました。そのため、作業の効率化に加えて必要な人員の抑制にも貢献しています。
    また、複数の計測機器をBluetoothで同時接続出来るため、ASUS Nexus 7一台で全ての計測結果を保存できます。
    しかし、ASUS Nexus 7の魅力はそれだけではありません。

    導入のポイント

    なぜASUS Nexus 7が選ばれたのか

    ――タブレット端末を選ぶうえで何を重視しましたか。
    岩田氏:ポイントの一つは“OS”です。AndroidはオープンOSのため、設定や認証などに面倒な部分が少ないことから、イニシャルコストを抑えて必要なシステムを開発できました。また、先ほどお話ししたように、今回のシステムではBluetooth接続によって多彩なデータを収集できるようになっています。ソフトウェアの改善やインフラの整備などがさらに進めば、将来的にデータベースとリンクさせることもASUS Nexus 7ならば実現可能でしょう。

    ――多くの端末からASUS Nexus 7を選んだ理由は?
    岩田氏:まずは、7インチという手軽なサイズ感。フィールドワークでの利用を考えると、10インチでは大きいうえに重すぎます。逆に4インチなどのスマートフォンサイズでは、画面が小さくて見づらい。その点、ASUS Nexus 7はポケットに入れて手軽に持ち運べる最適なサイズといえるでしょう。そして、何と言ってもコストパフォーマンスです。さまざまなタブレット端末を比較検討しましたが、価格と性能のバランスは非常に優秀だと感じています。

    ――バッテリーの駆動時間はいかがでしたか?
    岩田氏:2013年の夏に行った実地計測では、9,000本ものソルガムを13日間にわたって計測しましたがバッテリーについてはまったく問題ありませんでした。
    一日で700本前後を計測するためASUS Nexus 7を早朝から夕方まで使い続けても、バッテリーが切れることはありませんでした。また、非常に高温で過酷な環境での計測でしたが、故障などのトラブルも特にありませんでした。ASUS Nexus 7を使った今回のシステムがなければ計測を無事期間内に終わらせることは不可能だったでしょう。

    今後の展望

    最新のデジタル技術が農業研究の新たな可能性を切り開く

    システム導入当初、端末はASUS Nexus 7(2012)でしたが、現在は新しいASUS Nexus 7(2013)も導入されています。本体がより軽量化されたため、これまで以上に持ち運びが快適になりました。背面カメラも新たに搭載されたことで、栽培地などでの様子を簡単に撮影できるようになったと岩田氏は話してくれました。ASUS Nexus 7の進化が、システムの可能性はもちろん、農業研究の未来までも広げていきます。

    ――最新のASUS Nexus 7(2013)には背面カメラが搭載されました。
    岩田氏:我々は画像解析の研究も昔から行っているのですが、その際重要となる画像データと情報データのひも付けは手間のかかる作業で整理も大変です。しかしASUS Nexus 7(2013)なら、個体の撮影から計測データの収集、各種データのひも付け、サーバーへのデータアップロードまでをまとめて行うことも可能でしょう。写真と詳細情報の一括管理が実現すれば、個体や環境の状況判断はもっとスムーズになり非常に便利です。そういったシステムもいずれ作りたいですね。

    ――農業研究における今後の展望をお聞かせください。
    岩田氏:近い将来、ウェアラブルデバイスなどを用いて、測定する個体を見るだけで詳細データを確認できたり、成長の予想イメージなどをAR(拡張現実)で画面上に表示したりできるようになると思います。技術の進歩と農業が上手く融合できれば、農業研究はもっと楽しいものになるでしょう。農業が担う課題には食糧問題など深刻なものもありますが、最新技術が活かされれば学生たちはもっと「農業って楽しいな」と思ってくれるのではないでしょうか。そのような楽しい世界が待っていると、私は信じています。



    ■ 導入学校
    東京大学 大学院 農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 生物測定学研究室
    岩田 洋佳 准教授
    住所:〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1

    研究概要:
    JST(科学技術振興機構)の戦略的創造研究推進事業のひとつである研究プロジェクト「CREST」の一環として、東京大学の堤伸浩教授らとともに、ソルガムの高速育種に関する研究を進めている。
    ソルガムは、サトウキビのように糖度が高く、環境耐性にも優れているので、エタノールの原料を生産するのに適している。1回で数百個体のDNA多型を解析できる実験装置「次世代シーケエンサー」を利用し、遺伝的に優れた個体を効率よく見分けるシステムを開発している。このシステムを用いて、温暖な沖縄で年2回優れた固体を選抜・交配することで、スピーディな品種改良を実現する。
    また実際のソルガムの栽培地には、食用の農作物が育つ土地との競合を避けるため、農作物の育成に向かない塩害土壌を想定。よりポテンシャルの高いソルガムを作り出すために、メキシコなどにある塩害土壌での栽培試験にも取り組んでいる。
    HP:http://lbm.ab.a.u-tokyo.ac.jp/~iwata/
    ■ 導入パートナー
    株式会社ディジ・テック
    ・ 住所:〒520-0806 滋賀県大津市打出浜13-48 ベルパーク大津ビル3F
    ・ 会社概要:ハンディターミナルやコンピュータ周辺機器、画像処理装置などを開発・設計し、製造、販売にも従事。設計を社内で行い、製造についても国内協力会社とのコラボレーションすることで製品を生み出している。 1973年3月創業。

    凸版印刷株式会社
    ・ 住所:〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1番地
    ・ 会社概要:1900年創業の総合印刷会社。培ってきた「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション」、「生活環境」、「マテリアルソリューション」の3分野で事業を展開しています。それぞれの事業分野を発展させ、社会やお客さまの課題解決につながるトータルソリューションの提供を行っていきます。


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